ミラクリンの構造上の特徴
ミラクリンには2つの構造上の特徴があります。 1つ目は分子間ジスルフィド結合を形成したダイマーであることです。ミラクリンはモノマーでは活性を持たないことが知られており、このことから、分子間ジスルフィド結合はミラクリンの味覚修飾作用に必須であるといえます。 2つ目の特徴は糖鎖を持つということです。 2006年以降、組換えミラクリンの発現に関する論文が3つ報告されましたが、いずれも糖鎖を持つ活性型組換えmiraculinが得られたというもので、大腸菌を宿主とした機能的なmiraculinの発現は報告されていません。そのため、miraculin味覚修飾作用には糖鎖が必要ではないかと言われていますが、現在のところ分子レベルでの味覚修飾作用と糖鎖の関係は明らかになっていません。 そこで我々はミラクリン味覚修飾作用に糖鎖が必要であるかを直接確かめるため、糖鎖付加のできない大腸菌と翻訳後修飾により糖鎖付加が可能なシロイヌナズナを用いたミラクリン発現系の構築を試みました。