ひとりごと 8 [H23.6.6 更新]

予想:これからの食物栄養学

 これからの食物栄養学について、考えることがあります。最初のきっかけは、「精神疾患の分子的基盤」というセミナーの参加でした(平成22年11月 千里ライフサイエンス振興財団)。その中で、最新の研究成果を拝聴し、ω3系脂肪酸や葉酸が取り上げられていて、科学的に研究が進んでいることを実感しました。そこで、ご講演をされていた吉川武男先生(理化学研究所)にお願いして、本学で大学院向け講義をしていただきました(平成23年4月)。脂質代謝の視点からの生活習慣病予防と精神疾患は、近い関係にあることがわかり感銘を受けました。もうひとつの方向は、エピゲノムです。こちらは本年度の日本栄養食糧学会のシンポジウム(平成23年5月)でも取り上げられました。加藤茂明先生がその際にお話されていたように、以前では考えられていなかった「栄養学と核内受容体/遺伝子発現」の結びつきは将来、「栄養とエピゲノム」の結びつきにつながると思います。他にも、いろいろあるかと思いますが、考えても見なかったことと、つながると研究が面白くなります。